田舎の梅農家 プラムハウスふなやま
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第4章 南紀用水事業・嶋ノ瀬ダム建設

 旧南部川村付近の農業用水を一括して担う「島ノ瀬ダム」。プラムハウスふなやまのホームページには何点かイラストで掲載されています。この「島ノ瀬ダム」が建設されたのは今から10年前(平成3年)、その構想に関しては36年前(昭和40年)にさかのぼり、工事着工は26年前(昭和50年)です。なぜ、そのような大規模な計画が必要だったのか。それにはやはり南部川村(現代のみなべ町)の梅産業が関係しています。 嶋ノ瀬ダム
旧南部川村の梅農家・ミカン農家の畑は水田のように平地にばかりあるのではありません。たいていの畑は山の斜面 や切り崩した部分にあります。水は高い所から低い所へ流れますので、日照りが続くとたちまちの内に畑の木々が打撃を受けます。池が近くにあれば汲んできて散水することもできますが、そうもうまい地形ばかりではありません。そこで川の上流で水を溜め、その水を管理することが必要になってきました。それが「島ノ瀬ダム」を含めた「南紀用水事業」という国家的な事業です。この事業によって農業用水の安定供給が可能になり、ポンプとパイプを要所に通 すことにより各畑に水を供給することが出来るようになりました。日照りが続いたときには島ノ瀬ダムから水を引き、ポンプで水を送って、畑のスプリンクラーで直接水を撒くことができます。これは私達農家にとっては夢のような出来事です。昔の人は桶に水を汲んで、山を登り柄杓(ひしゃく)で水を撒き、また下へ降りて水を汲む。という作業を繰り返していたのでしょう。頭が下がる思いです。

ダム建設は旧南部川村全体に及ぶ大規模な工事でしたので、構想当時には反対運動などがありましたが、南部川村村長である山田五良氏(当時)の献身的な協力により村民の理解を得、無事に工事が完了しました。その間ダム反対運動などの立て看板が1枚も立たなかったのは、山田五良氏の人徳と手腕によるものであろうと思います。

私ども農業経営者にとっては水は命です。水が無ければ当然のことながら作物は育ちません。ありがたいことに南高梅の需要が増えたことにより、梅畑が増えていきました。しかし作物が増えれば水がもっと必要になります。今の南部川村(現代のみなべ町)の梅産業には農業用水の管理というものが、大変大きな役割を果 たしているのではないでしょうか。品質・収量安定を支えてくれている、縁の下の力持ち的な役割を「島ノ瀬ダム」は持っています。私はこのダムの四季の姿を見続けています。春には桜が咲き誇り、夏には生命力あふれる緑が映え、秋には彩 り豊かな葉が舞い散り、冬には雪景色が美しい。そのような四季折々の景観の美しさと、南部川村(現代のみなべ町)の梅産業を支える力強さ。この両面 を併せ持つ「島ノ瀬ダム」が大好きです。そして私どものホームページに彩りを添えることにも協力してくれています。

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